SGE(生成AI)と個人ブログの共存関係を徹底検証
SGE(生成AI)に「SGEとは」と尋ねると「この検索ではAIによる概要を利用できません」と記載されます。
つまりベータ版が実装された時点では、まだSGE対策どころか元になるデータ(参考サイト・ブログ等)が少なすぎるということでしょう。
では、かつてアフィリエイトの王道と言われた「クレジットカード おすすめ」を尋ねてみます。
以下のような検索結果が出てきます。
SGEが抽出すべき記事が多く存在するため、試験運用中とされながらも回答してくれます。
- SGE(生成AI)と個人ブログの共存関係を徹底検証
- SGE(生成AI)で抽出された文章を調べてみた
- SGE(生成AI)はSEOでの検索順位は影響していない
- Webライターが分析|SGE(生成AI)の抽出傾向
- 個人ブログがSGE(生成AI)に抽出されるには※推察
SGEが抽出するデータの傾向を捉えるため、参考にされた記事等を分析するとこの記事になりました。
SGE(生成AI)で抽出された文章を調べてみた
SGE(生成AI)で抽出された文章には、参考にした記事が紹介されます。
それぞれの抽出文と記事を分析することで、今後の個人ブログへの活用法が見えてくるかもしれません。
【第一抽出文】
SGE(生成AI)が抽出した1つめの文章が以下です。
クレジットカードのおすすめは、利用目的や利用頻度などによって異なります。
これまでのSEOでは最も重要と言われた一文目において、参考とされた記事は以下のものでした。
参考として表示された3記事内に同じ文言はありませんでした。
文章をそのまま抽出しているのではなく、自然言語として意味を認識していることがわかります。
ちなみに「ohotuku.jp」で検索順位をチェックしてみると、それぞれ以下のようになりました。
実際に検索したタイミングにより変動があるのがSEOですが、記事執筆時点では5位、6位、7位の記事から抽出されていました。
【第二抽出文】
SGE(生成AI)が抽出した2つめの文章が以下です。
利用目的別のおすすめは次の通りです。
第二の抽出文であるこれらの内容は、第一抽出文でも利用された以下の記事でした。
SGEが抽出していたのは、記事内に存在するカードランキングでしたが「見出し」がそのまま使用されていることがわかります。
Webライターやブロガーが利用する「h3」の部分です。
記事内では「h2」に「【種類別】おすすめクレジットカード11選!」と記載されている見出しがあり、その中に「h3」としてそれぞれの見出しが記載されています。
【第三抽出文】
SGE(生成AI)が抽出した3つめの文章が以下です。
利用頻度別のおすすめは次のとおりです。
毎月の利用額が8万円以下なら、年会費無料の一般カードがおすすめ クレジットカードをあまり使わないなら一般カードで十分
この文章が抽出されたのが、第一抽出文でも紹介されていた以下の記事です。
抽出されていた文章は「h3」に記載されている「本文」に存在しました。
箇条書き1つめの項目は、見出しの後にすぐ記載されている文章で、今までのSEO対策としてキーワードを挿入すべき項目だった部分です。
しかし2つめの項目は、同じ本文に記載された末尾の文章でした。
長文の記事で多くのクレジットカードを紹介しているにも関わらず、SGEでは「h3」の見出し中で2文に分けて紹介されています。
【第四抽出文】
SGE(生成AI)が抽出した4つめの文章が以下です。
2023年版のクレジットカードのおすすめランキングは次のとおりです。
この文章が抽出されたのが、SGEにより画面右に参考として表示されていた以下の記事でした。
この記事の検索順位は4位となっており、やはりSEO中堅順位が表示されています。
ただし抽出された文章は見出しでも本文でもありませんでした。
リード文中に「記事のまとめ」として記載されるランキングで、もはや目次のような扱い部分でした。
SGE(生成AI)はSEOでの検索順位は影響していない
SGE(生成AI)が抽出する文章を研究するため、以下のキーワードとSEO順位を調べました。
全15キーワードを調べましたが、特に傾向分析した3つに絞って紹介します。
検索キーワード
|
【抽出文】→Google検索順位
|
Webライター 稼ぐ
|
【第一抽出文】→2位
【第二抽出文】→10位
【第三抽出文】→24位
【第四抽出文】→100位以下
|
ブログ 稼ぐ
|
【第一抽出文】→100位以下
【第二抽出文】→28位
【第三抽出文】→1位
【第四抽出文】→9位
【第五抽出文】→9位
【第六抽出文】→9位
|
メンズ ファッション
|
【第一抽出文】→100位以下
【第二抽出文】→43位
【第三抽出文】→100位以下
【第四抽出文】→100以下
|
検索順位を無数に調べるのは不可能ですが、記事執筆時点では1位から100位以下までの記事から抽出されていました。
この結果を受けて、GoogleのSGE(生成AI)は無作為に記事を抽出していると予想できます。
しかし「傾向」として述べられるものが存在します。
Webライターが分析|SGE(生成AI)の抽出傾向
GoogleのSGE(生成AI)の抽出傾向は、以下のように記載できます。
-
大手企業サイトから1つ以上抽出
-
SEO検索順位上位から1つ以上抽出
-
SEO検索順位100位以下から1つ抽出
-
見出し(h3)から抽出することが多い
-
見出し(h2)から抽出されるのは大手サイト
-
本文の1文目だけ抽出される
-
PDF情報も抽出している
-
個人サイト(WordPress・無料ブログ等)はかなり少ない
-
YMYL以外の「個人経験を促す記事」では個人ブログも採用される
これらの結果を見ると、個人のWebライターやブロガーは落胆するに違いありません。
大手サイトでなければSGE(生成AI)に抽出される可能性が低く、特に個人ブロガーのサイトは相手にされていない傾向が強いからです。
しかし個人ブログが全く無意味になったわけでもありません。
個人ブログが採用される傾向
調べた中で最も注目したい記事があります。
「Webライター 稼ぐ」でGoogle順位24位だった記事です。
大手サイト記事の中で唯一、堂々のSGE抽出に認められた個人サイトです。
記事を執筆しているのは個人だと思われ、おそらくWordPressでしょう。
タグの挿入などテクニカルな内容を含まず、文章のみでSEO順位入りしているような記事でした。
つまり経験による実際の数値を述べられているため、SGEにも参照されていると予想できます。
ただ「そんな記事は無数に存在する」のがWebライターの世界です。フリーランスのWebライターなら、誰もが実際の収入記事を書いたことがあるでしょう。
しかし今回抽出されている記事は、以下のことも言えるのです。
- Webライター以外での成功体験を持っている人物が執筆
執筆者はプログラミングを活用して『Sheep』というアプリを作っています。Webライター以外にも活動する場所があり、過去に実績を持っていると言えるのではないでしょうか。
過去記事が抽出されることが多い
SGEはまだベータ版(試用段階)です。そのため、今後さらに精度をあげていくに違いありません。
それでも現在のところ、最も強い傾向があります。
最も強い傾向とは「2022年以前の記事から抽出されていることが多い」です。
もちろん2023年に記載された記事も全く抽出されていないわけではありません。しかし、約9割の抽出記事は2022年10月以前の記事(コンテンツ)でした。
執筆されたタイミングではなく、リライトを含む記事更新が2022年10月以前です。
過去記事が採用される傾向が強いとすれば、考えられる抽出ルールは以下の通りです。
-
ドメインパワーが影響している
-
サイト内の記事数が影響している
-
1年間でのアクセス数やエンゲージ率等が影響している
Googleのコアアップデートの傾向を含めてみると、個人ブログが採用される可能性が見えてくるのではないでしょうか。
コアアップデートにより検索上位を取得した個人ブログは多く存在します。もちろん逆に順位を落とした人もいるでしょうが、個人ブログの中で急激に順位を上昇させアクセス数が増えた人の記事がポイントです。
つまりSGE抽出では「1年間のページビュー・エンゲージ率等が抽出される根拠になる」傾向があるのです。
「Webライター 稼ぐ」で抽出された個人ブログの記事は2023年4月1日に公開されたものでした。
それも含めて考えてみると「1年間」ではなく「半年」かもしれません。
コアアップデートにより検索順位が上昇したサイトかどうかは、サイト運営者しかわかりません。
しかし2023年11月時点で、SGEベータ版の検証結果としてはこれ以上ないと思える結果になったと思います。
個人ブログがSGE(生成AI)に抽出されるには※推察
個人ブログがSGE(生成AI)で抽出されるには、「紐づけられた専門性」が重要になりそうです。
筆者(sorato24)は、SGEの専門家ではありません。
しかしWebライターを5年間おこなってきた際、すべてGoogleアカウントで統一しています。
「Webライター はてなブログ」や「Webライター SGE」だけのキーワードでは、sorato24のXアカウントは出没しません。「Webライター・SGE・はてなブログ」で検索した際だけ、まさかの検索2位を取得しているのです。
これまでのキーワード検索ではなく、アカウントの紐づけが重要になると言えるのではないでしょうか。
現在のSEOはSGE(生成AI)を正式に導入するために、様々なアップデートをおこなっているに違いありません。
今後、個人ブログが生き残るためには「複数の媒体をGoogleアカウントで紐づける」ことが重要になりそうです。
個人ブログが主流になったのは数年前です。
※この記事は、あくまで個人の推測や見解を含んでいます。